金田一と国見 と影山

 なんかムチャクチャになってきたので感情と作中であった事柄の指さし確認を書こかな、というやつです。

 金田一と国見と影山っていうのは、ハイキューのキャラです。ハイキュー分かんない人は意味不明だしめちゃくちゃネタバレになるので気を付けてください。

 まず、先述の通り三人はハイキューに出てくるキャラクターです。ハイキューは主に高校バレーに焦点が当てられいるのですが、金田一、国見、影山は同じ高校……ではなくその一個手前の同じ中学校で3年間同じチームにいたチームメイトでした。ただ関係は良好とは言えず、最後の中学三年の時の試合で影山が上げたをトスを誰も打たないというずーん……とした感じで文字通り亀裂が入り瓦解し、金田一と国見は青葉城西高校、影山は烏野高校へ進学します。

  • どうして影山のトスを誰も打たなかったのか?

 全員限界だったという他ない。影山はバレーボールにおける才能がものすごく、作中でも天才とか、才能の原石と言われるレベルで、技術、センス、努力のどれを取っても見劣りしない選手です。

 ただ、バレーボールっつーのはチームプレーがめちゃくちゃ大事なスポーツであり、全部が自分の思い通りに行くと思ったら大間違いなんですね。影山の躓きは恐らくここらへんです。誰もが影山みたいに天性の才能や努力をできるひたむきさなどを持っているわけじゃないし、練習すりゃできるというわけでもない。そしてめちゃくちゃバレーが大好きとも限らない。影山のやり方っていうのは、人がついて行くにはあまりにも過酷といえる。ずーーーっと限界超えてもシャトルランやらされる感じ。最悪ですよね。

 でも、影山にはそれが分からない。なぜなら影山には才能がある。努力すれば習得できるセンスがある。勝ちたいという貪欲な欲望がずっとある。だから言う。「勝ちたいなら俺のトスを打て」って、それが最短だから。だから、もっと速く動け、もっと高く飛べ。そうすれば勝てる。なぜ出来ない? 勝ちたいんじゃないのか?

 とんでもない残酷さですね。

 こんなの人を追い詰めるほか無い。少なくとも、中学生がやる部活では無いな、と思う。

 だから中学校最後の大会でのトスを誰も打たなかったんですね。ただこれっていうのは、いわばコップに注がれた並々の水がたった一滴で溢れ出る感じとあまり変わらないように思います。だって指摘するタイミング、なにもここじゃなくてもいいじゃん。まあ意趣返しの意味もあったのかもしれないけど、これまでの試合でもこの無理なトスは散々やってきた訳だ。なんでかというと、それで本当に勝てるから。でも影山の求めるハードルはドンドン上がっていく。ブロックが来るから捕まる前に速く、そして高く上げる、そんで打って決まれば得点。ずっと繰り返す。ハードルがまた上がる。

 そりゃこんなん孤立する。実際、烏野に来てやっと影山は周りとコミュニケーションを取ることの大切さやそれに付随したプレーの回し方なんかを学んでいく訳だが、そう、高校でやっとである。

 中学はだ~~れも教えてくれんかったね! そうです、影山には無理や無茶をして注意したり怒ってくれる仲間、友達は誰一人として居なかったわけですね! まあ日本代表の監督の耳にまで届くレベルのセッターに対してああとかこうとか言えないと思うよ、同級生は。影山のバレーの始まりも及川と岩泉とか黒尾と研磨みたいな友達経由ではなかったし、日向みたいに社交的な性格でもなさそうだし、結局ずっと1人でバレーやってるようなもんなんですよね。1人でバレーなんて出来ないのに。

 影山は作中でもU19合宿に選抜されるレベルの選手だし、周りの実力が釣り合わないなんてよくあるでしょ、なんて話では無い。

 金田一と国見だって相当バレーの実力はある! 2人とも体格はもちろん、プレーのスタイルもお互い違えど魅力的な選手。実力だって宮城県内の有望株1年生限定合宿に2人揃って選抜されるくらい。私の記憶違いじゃなければ日向(無断侵入)月島(正規選抜)の烏野を除いて1年生で2人抜擢されたのは青葉城西以外居なかったと思う。(白鳥沢の1年は球拾いだったしノーカンで)

 ていうか、なによりあの超王様プレースタイル時代の影山に食らいついてたし。文句言われても謝ってまたスパイク打ってを繰り返した金田一、マジ根性すごいっすよ。

 あの時の影山は選手のコンディションとかなにも気にして無かったっぽいしね。ここらはセッターとして致命的でしょう。及川との決定的な違いでもあると思います。でも及川と影山では理想のセッター像が違うっぽいのも、なんとも言えませんね。及川はスパイカーの調子を上げて一番欲しいトスを理想の形であげて勝つ、引き立てる役を理想だとすれば影山はスパイカーを引き立てるよりは自分が試合を支配して、思うままに動かして勝ちたい、主導権が自分にあるのが理想だと思うので。

 国見のプレースタイルも後半に追い上げるタイプでウマ娘で言えば追込ですね。如何せん頭がいいから体力の配分やコート全体の情報処理なども上手いんだと思います。実際インターハイ戦では攻撃型の烏野に対して結構意表を突く形で点を決めてましたし。

 話を戻しまして、影山だけでなく、金田一と国見にも相当な実力があったよ、という話でした。

  • 中学時代のあれこれってさ

 さて、そんなこんなで溝は一生埋まらず、最悪の形で決別をしてしまった三人ですが、実際どう思ってんのかなってやつです。

 まず影山は、あの1本は結構なトラウマになっちゃってるみたいですね。自分のトスを誰も打ってくれないっていうのはセッターにとってとてつもなく情けないというか、あってはいかんだろみたいなやつだと思います。悲しいのもあると思うよ。バレーボールはチームスポーツだし、チームで大切なのは信頼だし、すなわち信頼が影山には無かったってことですしね。影山がコミュニケーション下手なのは多分今に始まった話ではないと思いますが、それによって欠落した箇所というのはバレーボールというスポーツにとって致命傷だったわけです。悔い改めて欲しい。現在4期走り中ワイ、今いるとこがチームかなりギスギスしてて涙目で視聴です。影山、とりあえず謝ってくれ。お前言い方おかしいよ。

 続いてスパイカーだった金田一ですが、彼もそれなりに気にしてるみたいですね。それこそ1期では影山のトスは最悪だったしあれは嫌な思い出と言わんばかりの態度でしたが、練習試合にて中学の王様プレーから変貌を遂げた影山に唖然としてたあたり、彼は彼なりに思うところがあったのではないでしょうか。だって中学であんなスパルタやられてそれでも高校でまたバレーやるって、バレー大好きじゃん。私だったら最悪すぎてもうやらんけどね。だからこそ、彼は今になってあの選択はしょうがなかったか? そもそも、影山ともっと話していれば……? とかなんか色々考えていそうな感じがしますが。(4期を見た感じの感触)ある意味4期4話ではそこらへんに日向が結構ガッと掴みに行った感じはありましたね。視聴者と北川第一中学組に比べたら、外からその様子を聞いた日向にとってそこらへんのもつれって簡単に「喧嘩」と表せるわけで……。まあ喧嘩とも言えんかったけどね!? お互いが譲れなくて喧嘩するのは普通だ、と言ってくれたのは、私はかなり救われました。

 最後に国見。多分金田一よりずっと影山のこと嫌いだしずっと許すつもりないと思う。(現在の所見)

 金田一のことを近くで見てたし、頑張ってたの知ってて、それで影山があの態度で、ハ? ってなって。バレーにおける考え方も影山と最後まで反りが合わないな〜って見えました。時には諦めも大事だけど、でも追いかけなきゃ始まんねえよというのも分かるのが辛いところです。

 なんとなく、やられたことはやられたことで、後悔したとこで中学に戻れるわけじゃないしとりあえず進むしかない的な感じの考え方かなと思ってる。金田一が後悔の断片見せる瞬間に出す「おいお前は頑張ってただろ💢」の怒り、本当に正しいですよ。頑張ってたじゃんか。

 でも金田一が影山の変化から感じ取ってるものを国見ももちろん感じ取ってると思う。なんだかんだ3年一緒のチームでやってたし、頭の切れる国見がプレーの変化に気付かない訳ない。だから嫌いっつーよりは、なんで今更、って怒りのが強いのかなーと思う。まあ、オタクの理想は入ってます。

 てか、この三人は高校に入ってからの方が中学時代のこと思って辛くなる気持ち強くなってんじゃないかなーと思ってます。高校入学後の試合とか割と顕著に描写はされてたような気がする。独裁政治をやめた影山(ここらは語り手が及川だったのもあり及川視点が主だったけど、実際一番ビビってたのは金田一と国見だったんじゃないかとは思う)、やっと本来の高い打点でスパイクが打てるようになった金田一、自分のプレースタイルを通して確実に点をもぎ取る国見……。

 金田一と国見における及川徹とかいう先輩あまりにも恩人過ぎない!? ここは素直に及川徹さんに敬意を払いたいですね。実際人(選手)を見抜く力が作中でもずば抜けてると思う。プレースタイルも人柄も考えも、大体観察して分かるようになって、更にそれを引き立てると来た。頭が相当回るんでしょうね。やろうと思ってもできる人中々いねえよ……。潤滑油のような男だな。よっ! 潤滑油!

 あとはチームの大切さ、メンバーの事を知るのが如何にバレーというスポーツにおいて重要かを知った影山とかそれを見て影山って変わるんだ、と思った金田一と国見とかが、じゃあ中学の時ああしてれば、こういう風に言えたら、のたらればがずーっと出てきちゃうんじゃないかと思って勝手に辛くなってます。

 でもこの辺についてはもう1期で金田一が言ってた「俺は謝らないからお前も謝るな」に尽きると思うんですが。結局三人は違う道を選んだけど根っこの部分はバレーで繋がってるし……言葉で語るよりもプレーで語った方が分かり合えそうだよなぁ……金田一と国見と影山がバレーを捨てないでくれて本当に嬉しいよ。本当に泣いています。

 いつかこの三人が中学の時さ〜……って話せるようになったらめちゃくちゃ嬉しいんだけど原作ではそういうシーンあったりするんですかね……もうワケわかんなくなってきたから、わかんない……。でも、この三人がお互いを理解し合える関係になってくれたら一番嬉しい……。